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IAAL認定試験とは

認定試験とは

  現在大学図書館の業務は様々な雇用形態の就労者により支えられています。 本認定試験は、これらの方々を対象に客観的にその専門能力を評価する機会を設けることで、 学習に取り組むきっかけとなったり、職務能力評価のひとつとなることで待遇改善の一助となればという 趣旨で開始しました。
 

目的

  全国どこの大学図書館でも業務上通用する共通実務の面から、客観的な能力評価を行い、 就労者が勤務する図書館や受託業者が変わった場合でも、各人の能力が証明される システムの構築を目指しています。
 

期待する効果

(1)業務内容習熟および業務能力の向上
 
 共通実務の公式な教育の場として、国立情報学研究所が主催する目録システム講習会などがあります。こちらは主にシステムの仕組みを理解するものであり、 実務に関する教育は各参加館や各人にまかされています。 基礎理論の学習機会に恵まれないまま業務を続けている 方々が立ち止まって学習することでより確実な業務能力を身につけ、 業務に対する自信をを持つことを期待しています。
 
(2)採用側の評価基準
 
 また、この資格を採用側の評価基準の一つとなるよう育てることによって、 流動的な就労環境にある方々の待遇改善につながること、 大学図書館での人材確保に大きな効果となること、を期待しています。
 

試験科目体系

本認定試験は、現在のところ、業務を測る指標として5つの試験を実施しています。 
  科目 範囲 【受験資格】
総合目録 図書初級 NACSIS-CATにおける図書の検索から所蔵登録の範囲 資格の制限はありません
  雑誌初級 NACSIS-CATにおける雑誌の検索から所蔵登録の範囲 資格の制限はありません
  図書中級 NACSIS-CATにおける図書の書誌登録の範囲 図書初級合格者
  雑誌中級 NACSIS-CATにおける雑誌の書誌登録の範囲 雑誌初級もしくは図書中級合格者
情報サービス 文献提供 利用者の求めに応じて資料を提供する能力 資格の制限はありません
 

評価のポイントと出題範囲

●総合目録−図書初級
 
 総合目録の概要、各レコードの特徴、検索の仕組みについて理解し、 和洋図書の的確な検索と、結果の書誌同定の判断ができるかどうかを判定します。 また、目録の実際的な知識を確認します。
 
設問領域 出題範囲
総合目録の概要 総合目録データベースに関する基本的な知識を問う問題群です。
  • NACSIS-CATの概要・目的
  • データベース構造
  • リンク関係
  • 参照ファイル
  • 規則
  • 検索のしくみ
各レコードの特徴 書誌レコード、典拠レコード、所蔵レコードの各レコードに関する知識を確認します。
  • 書誌単位・書誌構造
  • 著者名典拠レコード
  • 統一書名レコード
  • 所蔵レコード
検索の仕組み NACSIS-CATにおける検索の仕組みについての理解度を確認します。
  • インデクスの切り出し
  • 検索機能
  • 有効な検索キー
書誌の同定 検索結果について、求める書誌であるかどうかを同定する力を確認します。
総合 実際に仕事の現場で必要な技術を問うためには、情報源から正しい情報が読み取れるかどうかを確認する必要があります。 手元にある資料でNACSIS-CATを検索し、ヒットした書誌に所蔵登録してよいかを判断するといった総合的な問題群です。
 
●総合目録−雑誌初級
CAT2020(2020年8月に国立情報学研究所がNACSIS-CATの図書書誌データベースに対して実施した運用・システム両面での変更)に関する内容は,出題しません。
ただし,CAT2020による「レコード」が「データ」になるなどの用語変更の取扱いは検討中のため,決まり次第,発表します。

設問における用語は,「ファイル」「レコード」などCAT2020以前のものに準じます。

 総合目録の概要、各レコードの特徴、検索の仕組みについて理解し、 和洋雑誌の的確な検索と、結果の書誌同定の判断,所蔵登録ができるかどうかを判定します。 また、目録の実際的な知識を確認します。
 
設問領域 出題範囲
総合目録の概要 総合目録データベースに関する基本的な知識を問う問題群です。
  • NACSIS-CATの概要・目的
  • データベース構造
  • リンク関係
  • 参照ファイル
  • 規則
  • 検索のしくみ
各レコードの特徴 書誌レコード、典拠レコード、所蔵レコードの各レコードに関する知識を確認します。
  • 書誌単位・書誌構造
  • 著者名典拠レコード
  • タイトル変遷マップ
  • 所蔵レコード
検索の仕組みと
書誌の同定
NACSIS-CATにおける検索の仕組みについての理解度を確認します。また、検索結果について、求める書誌であるかどうかを同定する力を確認します。
  • インデクスの切り出し
  • 検索機能
  • 有効な検索キー
  • 書誌同定
所蔵レコードの
記入方法
雑誌の所蔵レコード記入方法について、正しく理解しているかを問う問題群です。
  • 所蔵年次(HLYR)
  • 所蔵巻次(HLV)
  • 継続受入(CONT)
総合 実際に仕事の現場で必要な技術を問うためには、情報源から正しい情報が読み取れるかどうかを確認する 必要があると考えます。手元にある資料でNACSIS-CATを検索し、ヒットした書誌に所蔵登録してよいかを判断し,所蔵登録ができるかを問う総合的な問題群です。
 
●総合目録−図書中級
 
 NACSIS-CATで和洋図書の書誌登録ができることを評価します。 また,目録の実際的な知識を確認します。
設問領域 出題範囲
目録の基礎 目録の機能や役割,考え方について問う問題群です。
書誌作成・和図書 『目録システムコーディングマニュアル』(2章)に沿って,各フィールドの記述方法の基本的な理解を確認します。また,『日本目録規則』の考え方を問います。
総合・和図書 具体的な情報源を元に,和図書の書誌流用作成・新規作成・書誌修正ができることを確認します。
書誌作成・洋図書 『目録システムコーディングマニュアル』(4章)に沿って,各フィールドの記述方法の基本的な理解を確認します。また,『英米目録規則』の考え方を問います。
総合・洋図書 具体的な情報源を元に,洋図書の書誌流用作成・新規作成・書誌修正ができることを確認します。
 
●総合目録−雑誌中級

 CAT2020(2020年8月に国立情報学研究所がNACSIS-CATの図書書誌データベースに対して実施した運用・システム両面での変更)に関する内容は,出題しません。
ただし,CAT2020による「レコード」が「データ」になるなどの用語変更の取扱いは検討中のため,決まり次第,発表します。

 NACSIS-CATで和洋雑誌の書誌登録ができることを評価します。 また,目録の実際的な知識を確認します。
設問領域 出題範囲
目録の基礎 目録の機能や役割,考え方について問う問題群です。
書誌作成・和雑誌 『目録システムコーディングマニュアル』(6章)に沿って,各フィールドの記述方法の基本的な理解を確認します。また,『日本目録規則』の考え方を問います。
総合・和雑誌 具体的な情報源を元に,和雑誌の書誌流用作成・新規作成・書誌修正やタイトル変遷の判断ができることを確認します。
書誌作成・洋雑誌 『目録システムコーディングマニュアル』(7章・一部は6章と共通)に沿って,各フィールドの記述方法の基本的な理解を確認します。また,『英米目録規則』の考え方を問います。
総合・洋雑誌 具体的な情報源を元に,洋雑誌の書誌流用作成・新規作成・書誌修正やタイトル変遷の判断ができることを確認します。
 
●情報サービス−文献提供

 
 利用者の求めに応じて資料を提供する能力があることを評価します。
設問領域 出題範囲
文献提供総論 文献入手の仕組み,相互貸借の理念や運用,著作権等の文献提供に関わる基礎知識を確認する問題群です。
書誌事項の解釈 文献リストから文献種別の判定や書誌事項を読み取る能力を問います。
文献探索 文献種別に応じた入手方法,文献データベースの特徴と検索手法,サーチエンジンを通じた文献入手についての問題群です。
所蔵調査 大学図書館およびその他の国内の所蔵,海外の所蔵情報を的確に調査できる知識を確認します。
ILLシステム NACSIS-ILLの利用方法に関する問題群です。
 
<出題区分>これらの領域の設問は,下記の区分順に出題されます。
  1. 基礎問題  :最新の文献提供に関わる用語や,データベース,ILLの基礎知識
  2. 応用問題
    • 基本辞書:レファレンス業務に必要な,基本辞書・事典類を活用するための知識
    • 図書  :図書(学位論文や規格,法令・判例資料なども含む)の書誌情報を読み解き,文献を的確に提供できる知識
    • 雑誌  :雑誌(新聞なども含む)の書誌情報を読み解き,文献を的確に提供できる知識
    • テーマ :特定のテーマをもとに,それに関する文献を広く探索し提供できる知識

試験形式

 各科目ともマークシート方式です。
 
試験内容 出題形式 設問数 制限時間
総合目録−図書初級 マークシート方式(二者択一) 100問 50分
総合目録−雑誌初級 マークシート方式(二者択一) 100問 50分
  90分
総合目録−雑誌中級 マークシート方式 150問 90分
情報サービスー文献提供 マークシート方式(二者択一) 100問 50分